Vol.32 福島を離れてから一年

福島を離れてから一年。

久しぶりにブログを書いてみようと思います。

 

なぜ久しぶりになってしまったかと言うと・・・なにも見つけられなかったからです。

「距離が変わることに慣れるまでに少し時間がかかるかもしれないけど、

そこから見えてくることから出来る事を、また考え出したい」

福島を離れる際、こんなことをブログに綴っていました。

http://bit.ly/11GVaVv

 

だけど都会の人混みの中で見えるものなんて自分を無力な思いにさせるだけで

小さな自分が感じることは、残してきたものへの罪悪感だけになっていました。

 

街を行きかう人たちは自分を着飾ることや美味しいもの、楽しいことにしか興味がないように思えて、

毎日の通勤電車では、自分を守ることで精一杯みたいな戦いがあって、

震災の経験を未来に活かそうみたいなものは幻想なんじゃないかと、

自分も長いものに巻かれていくようなそんな感じになっていました。

 

遠くを見過ぎていたのかもしれません。

そんな時、妊娠していることがわかりました。

福島を離れてから4か月が経った頃でした。

その時は妊娠したっていう実感よりも、私のお腹でちゃんと

赤ちゃんは育ってくれるのかという不安の方が大きかったです。

でも、病院でエコーを見せてもらったり、心音を聞かせてもらったりするうちに、

だんだん自分の身体に命が宿っているんだという喜びを感じられるようになりました。

 

それから10か月、いま私の腕の中には可愛い女の子がいます。

震災の時は1人だったけど、去年2人になって、今年は3人になりました。

 

守るものが出来て、今はそれだけのために生きている日々ですが、

この子が大きくなって出歩けるようになったら、

一緒に福島に足を運びたいと思います。

そして、私の好きな場所をたくさん教えたいです。

福島の友達にも会わせたいです。 

 

この子が二十歳になる頃には、震災から23年。

何かを学んだ未来がそこにはあるのだろうか。

 

集められた放射性廃棄物はどこかに置き場が決まって静かに眠っているかな。

40年かかると言われている原子力発電所の廃炉作業はどう進んでいるだろう。

 

自分たちの手じゃどうにもできないことは、ただただ見守ることしかできないけど、

今回の出来事を通して、私はわが子に何を教えられるだろうと考えながら、

この子の成長を楽しみつつ育てていきたいと思います。

 

小川妙子

 

 

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